■ 中学受験者 最多に…首都圏では6人に1人
( 読売新聞 2008年2月1日 )
首都圏の私立中学校の入試が1日、ピークを迎えた。少子化で児童数が年々減少する中、今春の受験生は5万人以上にのぼるとみられ、過去最多になる見通しだ。
東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県に住む小学6年生の6人に1人が受験する計算で、大手進学塾は「ゆとり教育など、公立中学の教育に不安が強いことの表れ」と分析している。
この日は1都3県の国私立中学計305校のうち、67%にあたる計205校で試験が行われた。大手進学塾「四谷大塚」の試算によると、今春、1都3県で中学を受験する児童は約5万2000人。5年連続の増加で、初めて5万人を突破した。
子供の数は減っているため、全児童に占める受験生の割合(受験率)は20年前の1987年の7・9%から16・9%へと倍増した。大手進学塾「日能研」の分析によると、都内に限ると「3人に1人は受験する」状況になっているという。
中学受験が過熱している背景について、「ゆとり教育」を指摘する関係者は少なくない。受験者数の推移を見ると、公立学校に学校5日制が導入されるなど、「ゆとり教育」が始まった2002年度以降の受験者数の伸びが顕著で、「四谷大塚」の岩崎隆義・中学情報部課長は「大学進学のことを考えて、公立中学の教育に危機感を抱く親が増えた」と話す。
試算では、1人の受験生が併願する学校数も20年前の3・48校から約6校に増加しており、「『何が何でも私立』という受験生も増えている」という。
東京都荒川区の開成中学では午前7時半ごろから、塾関係者ら約150人が見守る中、何種類ものお守りをカバンからぶら下げた受験生らが、保護者らに伴われて続々と到着した。
すでに私立3校を受験、合格したという二男(12)を見送った葛飾区の介護ヘルパーの女性(41)は、「周囲を見ても、公立離れはピークに達している。公立中学も夏休み期間を短くするなどしているが、それでは週6日制の私立に追いつかないと思った」と話していた。
■ 公立中高一貫校の“入試”、5000人が挑戦
( 読売新聞 2008年2月3日 )
東京都内で今春開校する公立の中高一貫校4校で3日午前、入学試験にあたる「適性検査」が行われた。
昨春開校の1校も含む5校には、定員総数の9倍強にあたる計6670人の応募が殺到したため、内申書による一次選抜を3校で実施、この日は5校で約5000人が“12の春”の試練に挑んだ。
私立中学受験が過熱する中、授業料が安い公立校も中高一貫教育に乗り出したことで、中学受験の現場に「新たなブーム」(大手進学塾)が生まれつつあるようだ。
5校の内訳は、都立4校と千代田区立1校。
最も倍率が高かったのは都立小石川中等教育学校(文京区)で、155人の募集枠に1907人が応募、12・23倍の難関となった。
23区初の設置となる千代田区立の九段中等教育学校では、定員160人のうち、区民以外の都民募集枠80人を確保したところ、888人が応募、同枠の倍率は11・1倍に跳ね上がった。
同校のセールスポイントは、予備校講師を招いて土曜日に隔週で行う補習や、オーストラリアへのホームステイなど。計5回開いた学校説明会には、延べ1万人以上が集まった。
都立側も、「理科好き、数学好きを育てる自然科学教育」(小石川)、「論理的な思考力の育成」(桜修館中等教育学校=目黒区)など、それぞれ独自色を打ち出している。都教育庁では「(高倍率は)特色ある教育に対する関心と期待の表れ」と自己分析し、進学塾の市進学院は、「地元の公立中と同じ費用で高いレベルの教育を受けられるからでは」と推測する。
都は2010年度までに一貫校を10校に増やす方針。神奈川県でも09年度に2校、千葉県でも08年度までに2校、埼玉県でも07年度に1校の新設予定がある。
公立の中高一貫校は、1997年の中教審の答申を受け、99年から登場した。現在、高校入試がないタイプの一貫校は全国に46校で、新年度以降、30校以上の開校が予定されている。
これを受け、塾側も一昨年ごろから、公立中受験向けの講座を相次ぎ開設している。大手進学塾の担当者は「公立の参入で中学受験そのものに関心のある人が増え、塾にとってもマーケットが広がった」と語る。
ただ、私立中と違い、制度上は「学力試験」を課すことができないため、適性検査の出題傾向について都は「分析力や表現力を試す記述式が中心」と説明する。
栄光ゼミナールの山中亨・進学指導部課長は「実際に授業が始まり、在校生の様子や大学受験の実績を見なければ、本当の評価は定まらない。今はイメージで人気が高まっているが、(私立中と)どちらがいいかを実績で選ぶ時代が来るだろう」と話している。
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2008年02月03日
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